スタグルと地域活性化の関係性~初心者・家族連れでも楽しめる「食×応援×まちづくり」の可能性~

サンガスタジアムのスタグル完全ガイド

「スタグルって、要するにスタジアムで食べるご飯でしょ?」

初めてサンガスタジアム by KYOCERAに来た友人に、そう言われたことがある。気持ちはわかる。でも、20年以上ゴール裏に通い続けてきた私には、それだけでは言い表せない何かがあります。

スタグルは、地域と人をつなぐ”食の接点”だと思っています。試合のたびにかめおかECoマルシェを訪れ、のっそりさんのカウンターに並んでいると、それをつくづく感じています。

毎試合、必ず買いに行く2品

かめおかECoマルシェは、ホームゲームの開催日にJR亀岡駅北口「かめきたサンガ広場」に立ち上がる青空マーケットだ。地元の農産物や加工品、飲食店が集まり、試合前のひとときを彩るこの場所に、私には”指定席”があります。

コーヒー屋「のっそり」さんのブースだ。

のっそりで毎回手に取るのは、牛カツ巻き(650円前後)焼き鯖寿司(800円前後)の2品。どちらも、のっそりの店主さんのご実家が営む亀岡の料理店「魚留」さんのメニューだ。

牛カツ巻きは、薄衣でさっくり揚げた牛カツを海苔巻きに仕立てたもの。片手で食べられるサイズ感はスタグルとして理にかなっているし、肉のうまみと酢飯の酸味がちょうどいいバランスで、キックオフ前の体に染みわたる。焼き鯖寿司はしっかりした脂のりで、スタジアムで食べると妙においしく感じる一品だ。

値段は600〜800円台。スタグルとしては決して安くはないが、毎試合リピートしているのは、「また食べたい」と思う味があるからにほかならない。

亀岡の料理屋が、スタジアムに出てくる意味

一級建築士として施設設計に関わってきた立場から言うと、スタジアムという建築は「人を集める装置」だと思っている。試合の日に数千人が一箇所に集まるという現象は、商業施設やショッピングモールとはまったく違う種類の集客力を持っている。

その力を使って、魚留さんのような地域の飲食店がスタジアムの外周に出てくる。これは、単なる販路拡大ではない。

亀岡に縁もゆかりもない県外サポーターが、スタグルで魚留さんの焼き鯖寿司を食べる。「亀岡にこういう店があるんだ」と知る。次のアウェイ遠征のついでに、あるいは近くに来たときに、店を訪ねる——。その連鎖が生まれる可能性があるのだ。スタジアムが地域への「入口」として機能している瞬間だと思う。

かめおかECoマルシェ全体としても、地元農産物の生産者や加工業者が毎回出店しており、観戦者が亀岡の食文化に触れる場になっている。私が通い始めた2004年当時、スタジアム周辺にこれほど地域色のある食の場はなかった。それだけ積み重なってきたということでもある。

建築士の目で見る「スタグルが映える空間」

スタグルの体験は、メニューの中身だけで決まらない。どこで、どう食べるか——空間の設計が、満足度に直結する。

サンガスタジアム by KYOCERAのかめきたサンガ広場は、駅の北口を出てすぐという立地上、自然な動線の上に位置している。「試合前にちょっと寄る」が無理なく成立するのは、動線設計として正しい。混雑するゲート前に並ぶ前の”予備動線”として機能しており、人の流れが分散される効果もある。

もう一点、外部空間であることも重要だ。屋内のフードコートと違い、青空の下でテントが並ぶオープンな環境は、子どもが走り回っても目が届くし、食べながら知らない人と会話が生まれやすい。私が毎回のっそりで顔見知りのサポーターと立ち話をするのも、この空間の開放性があってこそだと思う。

スタジアム内のコンコースにある売店は観戦動線と連動しているが、マルシェのような外部広場は「試合の前後に街を感じる」という体験を担っている。両者の役割は異なる。どちらが良いではなく、この二層構造があることで、スタグル体験の幅が広がる。

初めてでも迷わない、スタグルの楽しみ方

初めてサンガスタジアムを訪れる方や、小さなお子さん連れの方に向けて、私が実際にやっている流れを共有しておく。

まず、キックオフの45〜60分前にかめきたサンガ広場へ向かう。この時間帯はまだ混雑が少なく、ブースのスタッフさんと少し話す余裕もある。牛カツ巻きのように片手で食べられるものをここで買っておき、入場後のコンコースでゆっくり食べるのが私のパターンだ。

子ども連れなら、先に広場でお腹を満たしてからゲートをくぐると、試合中に「お腹すいた」と言われるリスクが減る。スタジアム内は売店が分散しているので、子連れで動き回るのは意外と大変だ。外で食べ終えてから入場するのは、合理的な選択だと思う。

まとめ:スタグルは”亀岡を知る入口”でもある

スタグルを「スタジアムで食べるもの」として完結させてしまうのは、少しもったいない。

のっそりで牛カツ巻きと焼き鯖寿司を買う。それはただの食事ではなく、亀岡の料理店・魚留さんの仕事を知ることであり、かめおかECoマルシェという地域の取り組みに参加することでもある。20年以上通い続けて、その積み重なりをじわじわと実感しています。

初めてサンガスタジアムに来る方にも、ぜひマルシェに立ち寄ってください。試合の結果とは無関係に、「また亀岡に来たい」と思う体験が、そこにあると思うから。

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